初めての入院とアカシジア。
入院生活もほどなくしてそれは訪れました。
「か、身体が震える」自己制御はできません。
そのまま横になっていられればいいのですがアレって「座れない」と言いますね。
着席をキープできない状態。身体が微妙に振動して気持ちが悪い。
心臓が飛びでそうになる時もありました。
16歳のわたしはそれを表現するすべを知りません。
のちに診断書を見る機会があり「アカシジア」という名称を知りました。
お薬手帳の副作用を書く欄にロドピンのクラッシックタイプを服用すると
アカシジアが出る、と記入しています。
わたしが10代の頃はお薬手帳すらありませんでした。
しかも医師や看護婦からアカシジアを無いことにされていました。
「また観音崎さん、状態崩してるわ」その程度の認識だった、と思います。
早くこんな環境から脱出したい。退院は当時両親に訴えて実現した、と思います。
ノートに書く字が左手で書いたような大きく震えた字になって
しかも1分に1文字程度書けるかな、という感じだったので
わたしはその春、高校を中退しました。学業どころの状態ではありませんでした。
両親は通信制高校を薦めてきましたが取り寄せた書類に「スクーリング」という
文字を見て抵抗を感じたわたしはそこで思考停止。
「どこへも行けない」17歳で行き詰まりを思いました。手詰まりです。
初めての入院生活は病棟最年少、という立場でそれなりに可愛がってもらえた
けれどもそんなの最初のうちだけでやがて身の回りのことが何にもできないのを
知られていくと呆れられるようになり、チクチクいじめられたりもしました。
昭和のあの頃。わたしは初めてだらけで世の中の片隅に吹き寄せられたのでした。