秋だった。
去年も病の始まりは秋だった。
そして入院が冬。
人の話をきかなくなる。
耳が壊れてしまったのではないかと思うくらい。
春。耳をすませばみんな本当のことを述べていたことに気づく。
夏。日焼けの腕をしみじみ見てもう病はこりごりだなと感じる。
年中通して意識的に暮らすことだよ。パートナーは述べる。
そうだね、そうかも。変に依怙地になって病に近づかないようにね。
あとで後悔するのっていちばん情けない。
意識的に、柔軟に、こころを守る。
誰にもできない、自分だけの領域だ。
きょうも近くの公園を歩いてきた。
汗みずく。
秋のひんやりしたさらりと乾いた空気が恋しい。
意識的に秋を迎えたい。
ままならない身体も今より少しは楽になるだろう。
それに甘えず、厳しく自分を見守ろう。