ままならない。
着替えも一人ではままならない現実。
一回、一回彼=夫に助けられている。
「老老介護みたいだね」そんな暮らしの中で彼は学ぶものがあるそうだ。
彼はタクシードライバーなのだが社会的弱者がいかに申し訳なさそうに
暮らしているのかがよく見えるらしいのだ。
車椅子のお客様は乗車を断られることも多いらしい。
運転手がサービスを出し惜しみしているのを目の当たりにして彼は
やるせない気持ちになる。「なにかお手伝いできることはありますか?」
の言葉も無理強いのニュアンスではだめだそうだ。
基本、お客様は自分のことは自分でしたいものだから
そういった気持ちを最優先にしなければいけないものだそうだ。
ところで、着替えもままならないわたしだってパジャマの下を
スカートの下によーやらさっと履けたら達成感がある。
「ひとりで出来た!」喜びでいっぱいだ。
どちらかというと左足が重い。それを工夫しながらパジャマのズボンに通していく。
お薬の影響から薄皮を剥ぐように解放されていく日々である。