名前をつけてやる。
たった今の気持ちに名前をつけるとしたら名前なんてものは幾つ必要だろう。
ラベリングにはそう大した意味はないかもしれない。
1回目の入院の初の外泊の日に家族に迎えに来てもらった際、私は外の空気を吸えたということで飛び跳ねていたような記憶がある。一ヶ月あまりの幽閉から一時的でも自由になれた16歳の喜びとしては普通だろう。
病院側は外泊から「帰ってこれるか」を見ていたのだと思う。実際に期日より2、3日間遅れで私は病院へ戻った。このまま家にいてなしくずしに退院という甘い夢を叶えたかった私は社会の取り決めの重さに結局勝てなかった。
「自分は普通」という思いこみは当時傲慢でしかなかった。
社会慣れしていくどの段階でも私は躓いてきたし、
集まりなどの係りを割り振られただけで憂鬱になり緊張した。
「社会不適合」のラベルが浮かぶ。