こめかみから、汗。
15分ほどのウォーキングから帰ってまいりました。
気候がだいぶいいですね。
大袈裟な上着が要らなくて、軽装でオッケーですもの。
マンションを出てすぐの幼稚園の朝の出席風景を横目に公園へいきます。
ちっちゃい子は可愛いですね。葛藤がなくて。
あの無邪気さをいつ脱いでしまうんだろう。
あの可憐さをずっと保持できたら、病気になんて罹りそうもないのに。
両親に理解できない行動をするから、わたしは病院へ連れてゆかれました。
そこから入院するはめになり、副作用の強い薬との出会いです。
副作用名はアカシジア。ロドピンが多くても少なくてもアカシジアになるようです。
身体が小刻みにふるえます。全身が気持ち悪くて椅子に座ってなどいられません。
歩いて解消するような気がして入院中は廊下の掃除をしている職員さんの
お邪魔になりながら、心の中では「助けて・助けて」と歩きまわりました。
アカシジアは毎日のように出るときもあれば、ランダムなときもあって、
わたしなりに「またあの『焦燥感』が来た」と呼んでいました。
薬さえ飲まなければ、って思いました。
ですが、退院しても両親、とくに母親は祈るようにのませたがります。
わたしは自傷行為に走りました。
高校もやめてしまったし、先が見えなかったからです。
そのときの手首を縫ったのはアカシジアの出る薬を出していた当の担当医でした。
めちゃくちゃな気持ち。八方ふさがり。
あの年は結局通院を途中でやめたのでした。
わたしはまるまると太り、家でテレビばかり見てひきこもっていました。
今日はいい天候で、空は綺麗。気温もこれから上がるんでしょうか。
こめかみから、汗がしたたり落ちました。
半世紀も生きて、今自分が故郷を離れ、東京に居る不思議。
東京であの時代からまたぐ薬をのみながらの生活。
現代のロドピンは全然悪さをしません。やっとひと心地ついた。
副作用のないロドピンのある世界に来たことを天に感謝して、
笑顔で絶望の淵からひらりと舞い上がります。この見えない羽根で。