待たなくて、いい。
彼の仕事がタクシードライバーに内定しそうな頃、
「待てるかなぁ」という不安があった。
人様の命を預かり運んでいく仕事。事故なんてもってのほか。
「待てるかなぁ」は杞憂に終わった。
待たなくていいのだ。銀色夏生さんのつれづれシリーズに書いてあった。
「人を待たなくなるのって最強だよね」みたいなこと。
待たずに今に集中するのだ。今ココに生きるのだ。
今を意識して生きる。
今をだいじにして生きる。
すると黄昏はするすると降りてきて、彼に会える時刻となる。
「苺の心理的な不安はわかるよ」そう言いながら出社していった彼。
彼には通じているのだ。何もかも。
家内安全と交通安全と。
2本立てでいこう。
きょうは始まったばかり。
今ココ。今をぎゅっと抱きしめる。