精神的な壁・ひらりと飛んで虹。

やはり心のことを書こうと思い直し。

親子、味覚。

親子して口の悪さだけは似てしまったのかもしれない。

恩師からは「お前ももう50なんだから親を愚弄しないように」とありがたい言葉を

いただいた。

この恩師が母のピュアな頃をよく知っている。

高校の先輩・後輩だったからだ。わたしも写真でなら知っている。

創意工夫して服を着こなしていた。

結婚してから母はお洒落をしなくなった。それが子供心にも残念だった。

 

美味しいご飯をどんなときもつくっておいてくれていた。

酒飲みの父には美味しすぎるおまみの連続だったろう。

震災の日には下のきょうだいが帰ってきたら子供たちは(母にとっては孫)

コタツのなかで必死に暖をとり

母は台所でフライパンに向かって猛烈に腕をふるっていたそうだ。

私の味覚は母のごはんで育った。その確かさをときどき彼に褒められる。

彼は母のつくったものをまだ一度も食べていない。

それにしても伝わるものなんだなぁと思う。

 

一度も我儘を父に対して言わなかったんだろうな、とも思う。

飲み込んだ言葉は多かっただろうなと思う。

父の葬式の時点で母はさほどクライシスも起こさず平和な表情さえしていた。

美味しいもの、出汁の味がわかる、そんな娘らしいです。

さっぱり手伝いもせず、プラプラしてばかりでごめんなさい。