長い間「無いこと」になっていた。
「足はムズムズしますか?」
足ではないのです。からだぜんたいが落ち着かなくて
少しも座っていられません。
廊下であろうが階段であろうが奇妙な徘徊を続けます。ただ苦しいです。
胸が不快です。心臓が出そうになります。
外泊で家に帰ってもアカシジアがでました。
医療の手のないところで襲われるアカシジアはただ辛く孤独感は大きいです。
腕の血管に注射を受けてたちまち眠ってしまえるものがあったでしょう。
その注射で眠りつづけたいと願いますね。そのまま起きたくもありません。
この身体が人間という感じもしません。(アカシジアの描写)
一行目の質問のようなたずねかたをして医師は自分の思う症状の回答が欲しくて
こちらを誘導しているふうであった。
ロドピン、あるいは処方している薬から導きだされる症状で(アカシジア)で
合っているのにそれを確かめるだけの(薬は変わらず続行される)
診察のやりとりはただ無為で空しかった。
私の感じた経験は本当に長い間「無いこと」にされてきた。
これまでの家族にも医師側にもただ「気のせい」とされねじ伏せられた。
現在の夫だけは瞬時に理解できる感性と知性を持っていた。
助かった、と思った。