銀杏の木の黄金色。
しらじらと夜が明けはじめ漆黒の世界から静かにゆっくりと
銀杏の木が姿をあらわすととても綺麗に染まっていて目を奪われた。
ちょうどこの時期に見た清水寺の銀杏もこんな印象的な色だった。
窓の外の銀杏の木と清水寺の銀杏では20年の隔たりがあるが、
花鳥風月の前に時の厚みは吹き飛ぶ。
あの頃はもっと若くもっと不安定だった。
自分は揺れてばかりの陰気な人間だと思っていた。
今を受け容れる、それが51%を越えたら反転の儀が起こる。
長年の塊だととらえていたものが解けていく音がはっきりと聴こえたのだ。