運命の裏拳。
はじめての入院は10代の頃。
もちろん「なんでこんな目に!」と憤ること満載だった。
住んでいた街に国立の病院があったこと。閉鎖病棟だったこと。
今から思えば天のはからいみたいにちょうどよく存在してたな、と思う。
映画「クワイエットルームへようこそ」に出演していた、りょうさん扮する看護婦長の
強面のキャラクターが、そうそうそうそう!こんな看護師さんいたわ!こんな婦長さ
んいたわ!と切ない懐かしいおかしな気持ちになった。今ならわかる…っっ! 入院
中に患者さんすべてを事故から守るため、規則を遵守させるあまりお役所的なコワモ
テさんにどうしてもなっちゃうんだろうな…と。それもその世界で機能していただい
じな役割ではある。家事全般をまったく手伝ってこなかった私が実家以外に初めて放
り出された環境… 職員・患者さんすべてが年上女性だったのでまー何も出来
ないことをいびられまくった四面楚歌入院をほろ苦く回想するな。
2回目の入院時には目からウロコが落ちてばかりだった。
そのような環境から晴れやかに退院していく人々のこと。
身の回りを整然と片付け落ち着いた心で巣立っていくかたがた。
「なんでこんな目に!」と当初叫んだ問いには
「スピリチュアルトレーニングだからだよ」運命が裏拳でツッコむのだった。
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