ごちそうさまでした。
「ごちそうさまでした」わたしはこれをお薬を飲んだ時にも言う。
夜8時の投薬(就寝は9時)の場でもウケた。
食後のお薬の時も、まず自分の番号を告げ、お薬をもらい、飲み、ごっくんして
「ごちそうさまでした」屈託なく無邪気に言い放った。
それだけエネルギーあふれる若者だったと言えば聞こえは良い。
「君は素直なんだね」と医師。「僕は素直というのは『バカ』だと思ってるよ」と
言い放った。むろん、カチンときた。この時点ではわたしがむっとして終わったが
賀状で報復できた。うさぎ年だったと記憶している。ウサ耳のキャラを描きおくった
のを憶えている。医師は後で「泣いたぞー」と言った。知らんがな。
その医師は後に「きみはもう薬をのまなくていいよ」と診察してくれた。
「自由に世間を見ておいで」という意味だったのかもしれず。
「ごちそうさまでした」「お粗末さん♪」と対の言葉で、おばあちゃんが言う。
わたしの天然は隔世遺伝だと夫からのもっぱらの意見だ。
笑い上戸。おかしな発音。少し予測不可能なドジ。おばーちゃんだ。おばーちゃんだ。
国立の療養所ではおばーちゃんもおしめたたみのボランティアに参加していて
カレンダーに「ボラテア」と書かれてあった。
ごちそうさまでした。わたしに脈々と流れる家族の血。お粗末っつぁん♪