精神的な壁・ひらりと飛んで虹。

やはり心のことを書こうと思い直し。

前倒し派。

夫は細かい。

お風呂は二人で入るのだが二人分の着替えを所定の位置に

置いたことを確かめてから入る。

まずは自分が洗い、十分に湯船に浸かっておいてから行動開始だ。

あらかじめ脱がせておきバスローブを着せた妻を呼ぶ。

妻はたいがい文庫本を読みながら待っている。

夫から「苺、おいでー」と声がかかったらこちらの行動開始だ。

バスローブを所定の位置に脱ぎ(その後クローゼットに移動させる夫)

バスルームへ入る。すべって転ばないように細心の注意を払う。

まずは湯船に入って身体をふやかせられる。

夫はシャンプーをすませ、妻を湯船から出し妻の身体を洗う。

最近では湯船から自力で立ちあがることが出来るようになった妻。

だからといって一人きりではお風呂に入ることが解禁になったわけではない。

どんな事態が訪れるかわからないからだ。

バランスを崩し倒れたりしたときに介助の手が要る。

まだまだ安心できない。

さて、身体の次は洗髪だ。

夫婦ともども思うのだが「豊かな時間だね」いつも言い合う。

夫の指が頭皮を洗う。

なんともいえない充足感にとりまかれる。

じゅうぶんにすすぎをされて再び湯船へ。

この後、夫は一足先に上がる。

窓辺のテーブルにドライヤーを置いたりスタンドミラーを置いたりする。

使うのは妻のみである。

夫は自然乾燥だ。愛用の帽子をかぶって「はね」を抑える。

じゅうぶんに湯船に浸かった妻の身体は眠りにつくまで温かい。

用意していた下着・パジャマを着せてもらう。

夫は前もって準備をする派だ。

我が家では「前倒し」と呼んでいる。

パジャマを着せてもらう段階で耳掃除の綿棒・保湿クリームのニベア

ごく薄く塗る。顔はテカリ防止のためにティッシュオフする。

じゅうぶんにタオルドライしてから窓辺に移動してドライヤーをかける。

夫の「これでもか前倒し」に助けられ今日もわたしは生きている。