苺のダイエット日記。

48,8kg♡叶えられた夢。真剣に、ふっくら体型めざします。

ゆううつ未来。

ひとつ前の入院先にひょろりとした背の高い男の子がいた。

Tくんだ。散髪していない髪は油っぽく長く、

折り目正しいKさんに「君、絶対美容院で髪を切ったほうがいいよ。

せっかく背も高いんだしおしゃれしてさ!」と勧められていた。

わたしの状態が悪くて一時奥病棟へ連れてこられたのは年末年始のことだった。

Tくんが前病棟から奥病棟のテレビをぬぼーっと見ている。

ワンピースだった。前病棟ではチャンネル権がないTくん。

わたしはフォルダーファイブのワンピース主題歌が得意で、

「そっかー、今はこの走ってるリズムで全編歌いっぱなしの曲が

ワンピースの主題歌なんだ」耳を囲って集音しながら聴いていた。

Tくんは奥病棟にくる兆候はみられない。落ち着いているからだ。

さて、奥病棟から数週間で前病棟へ戻ってきた苺さんはKさんに

「落ち着いたね、良かったねぇ」としみじみ感想を述べられ

以前のわたしは相当珍奇だったことを知る。

(内心、ちぇっって思ったが)ここは精神科病棟である。

奥病棟暮らしは別名「隔離」と呼ばれだいぶ状態の落ちた患者が

それに該当する。

 

「隔離、2回やっちゃった」「僕は3回」Tくんは言う。

あー君はむらがありそうだもんねー。

月に一度、床屋さんが前病棟に来て患者の髪や髭をあたってくださる日がある。

Tくんは北のトップさん(男子のリーダー格のおじさん)に

「坊主にしろ!坊主に」と勧められ短髪になっていた。

美容室デビューを勧めたKさんもガッカリである。

「可愛い妹さんに心配かけないようにお兄ちゃんしっかりしなくちゃ」と

看護婦さんに喝を入れられるTくん。ムーと黙りこんでいる。

「これからくるいろんなことが、めんどくさいんでしょ?」「そうです…」

本音はきっと、そう。わたしも君ぐらいの時よく考えた。

ゆううつな未来。これから起きるすべてが灰色。

人生は自分次第。でこぼこに起きるとびきり痛いことを

自分に引き寄せて考えた時、内観の始まりだった。

内側から湧くひかり。真水のこころ。自愛が始まる。

そうして今あなたにこうしてこの文章を読んでいただけている。