退院間際の気づき。
入院生活では何でも並んで順番を待つ。
飼いならされた羊のように静かに。
看護婦さん、看護師さんの言うことを素直に聞き、
規則正しい生活をし退院していくのだ。
わたしは入院前の荒れた心情から落ち着いていったのを思う。
面会に来てくれた彼も同じことを考えた筈だ。
退院間近のなめらかな心模様。
鍵を渡されてロッカーを開け閉めし薬の管理をした。
そこで思うのだ。入院前は薬の管理も彼まかせだった、と。
待てよ、彼まかせとは「何もかも」ではなかったか。
ゆったりと眠りから覚めるように自覚していく。
これから東京へ帰り、新しい生活を始めるのだ。
彼はアラフィフの再就職をしわたしはそのお手伝いをする。
春、3月。希望は具体的になる。助力となって彼を支えるのだ。
さあ、今こそ、内部が立ち上がる。立ち上がって支えて彼の支援に回るのだ。