急性期の特徴。
病の急性期には薬の服用を軽視する面があった。
もちろん自殺行為である。
お薬を持たずに家を飛び出し後から「持ってきて」と命令していた。
その頃、彼は苦悩していた。
「苺は死んでしまうかも」と心配して胸が張り裂けそうになっていた。
今は服薬態度も真面目でコツコツ飲んでいる。
3ヵ月半の入院生活を経て気がついたことが多かった。
祈りをこめて母はあの頃娘(わたし)に飲ませていたのだ。
副作用地獄さえなかったら素直に飲んでいただろう、けれども
アカシジアをはじめとする弊害は大きかった。
医者に訴えてもなしのつぶて。
薬=副作用で血圧の薬も遠ざけてしまうことになり、
ある日我が家で倒れて救急搬送の憂き目に遭う。
脳外科に入院してから実感したのが「副作用がない!」ことだった。
確実に遠回りをわたしはしていたのだ。
意識の光を下ろして振り返ると、わたしが今現在生きているのは
お薬の研究や販売、輸送、口に入るまでにどれだけの人々が
汗水流して頑張ってくださっていたことか。
医師の判断だけではない。支えてくれてる無数の手を感じて
涙が出た。「涙はシャンプー、笑いはトリートメント」とは
夫のつぶやきのひとつだが、今朝の半屋上デートでは
涙がとまらなかった。わたしは守られている。
もうなくなった父や祖父・祖母からの祈りを感じた。
そしてきょうもわたしはお薬を飲むだろう。
タッパーに仕分けして(彼、サンキュ)あるところから
一日ぶんを取り出して正確に飲むだろう。
必要なのだ。生きるために。
もう軽視なぞしない。
約束。