心に畳み続ける。
どんなに不本意でも自分が選んだ道なのだ、と心に畳む。
畳める自分になる。
未だに浮かぶ口惜しい思い出は淡く重さを失くしていく。
私は働くなど社会的に責任を負うということはまるで成し得られなかった。
どうやらその方向に運命は向かっていないらしい。
それでも食いっぱぐれの憂き目には不思議とならなかった。
家族が要所要所を押さえ守っていてくれたからだ。
これを我が幸福と数えて良いものだろうかと時々思う。
母に最後に電話した折に「幸せですか?」と聞かれた。
「幸せです」と私は100%で答えた。
どんなに不本意でも自分が選んだ道なのだ、と心に畳む。
畳める自分にどんどんなっていく。
未だに浮かぶ口惜しい思い出は今までの重さを失くし私をひっぱらなくなった。
思い出に追いかけられない、
振り回されないだけでも上出来な気がするのだがどうだろうか。