花のベッドでひるねして よしもとばなな
16歳での初入院の筆舌に尽くしがたい制限生活を思う。
あれから30年の現在の幸福を数えたら夢を見ているようだ。
夢からさめたようだ。アカシジアと書痙で当時ノートに文章を綴る小さな趣味
(しかしだいじな趣味)も完全に塞がれ閉ざされた。
あの頃の私はそれまで人生を裏切ってきたぶんの清算に入ったのだと思う。
この小説のなかで主人公の祖父が「引き寄せの法則」を
スピリチュアル以上の境地から体現してみせる描写がある。
私はあの入院から15年ほど経過してPCでからネット上に文章を上げる
歓びの日々にたどりついた。ブログを書く歓びはその数年後になる。
たぶん小説の引き寄せおじいちゃんが言うように「自分を神様のように
うんと清浄な場所に置いた」ら、これまでの人生の清算がひとつひとつ
完了していき出逢うべき出来事が変わるだけのことのような気がする。
「花のベッドにねころんでいるかのように生きるんだよ」
という台詞はすなわち真のリラックスをあらわしているのだ、とも。