先生力、あれこれ。
小学6年の頃、恒例の文化祭のステージ発表でのこと。
小学1年生の合唱に度肝を抜かれすべての学年が真剣に見入っていた。
1年生の担任は女性の先生で指揮台からきめ細かな指揮をして
まだ幼い表情の残る1年生の皆が集中して歌っていた。
輪唱とハーモニーを組み合わせたわらべ歌はステージを観る
生徒・先生・観客の母親たちを釘付けにしたのだった。
1年生が「ここまで巧みな歌を披露している」といった驚きだった。
他の学年の担任も少々恥じ入っていたのかもしれない。
先生力の差について考えたに違いない。
私の学級の担任は良くいっても悪くいっても「普通におばさん」だったので
自主性を重んじることをいうのだけれど最初にまず否定から入るタイプだった。
そんな調子だったので卒業式におばさん担任から「おめでとう」と祝われても
ほとんどの私の同級生は微かにそっぽを向くような態度の子が多かった。
小学生時など経験や知識は先生のほうが豊富に持っていて当たり前の世界だ。
件の1年生の担任は躾や否定より前に彼女の持っている知識をそのまままっすぐ
生徒に与えていた印象がある。私はたまたま選択クラブの担当だった彼女の
先生力を感じた。指導にバランスがとれていたのだ。
そう。大人は自らの知識を子どもたちに伝えていくことで世の中の役に立てる。
私は今朝起きて当時の1年生たちの歌声が
頭の中で今もまわっていたのを清々しく思い出したので記してみた。