私が見た大病院のつくりの違いについて。
A病院のつくりは大廊下がまっすぐあって両脇にそれぞれの病棟がある。
建物を上から見て線画であらわすなら縦に図案化した魚の骨の形か
あるいは昔のテレビアンテナの図形に似ているといえば伝わるでしょうか。
病棟には男子病棟・女子病棟・老人病棟
ダウン症や身体障害児のための病棟・開放病棟などがあった。
他には給食棟やボランティアのための棟があった。
玄関に近い両隣には外来診察室、待合室ロビー、各種検査室、歯科などがある。
玄関から入り大廊下の遠く遠く突き当りを曲がると作業療法棟に体育館がある。
ここまで書いてB病院のつくりのことも思い出した。
病棟から順を追って説明すると2階の病棟から出て階段を下りると1階は
廊下を継ぎ足し継ぎ足し作ったようなさまざまな棟で複雑な迷路状態となっていた。
後から分かったのだがそのようなつくりは脱走者対策になっていた。
病棟から患者が抜け出した場合、まず1階に下りるしかない。
1階に下り迷路を通り抜け最後は必ず玄関まで出るような動線だ。
病院側では脱走者の通報があったら廊下にある扉を素早く閉め
玄関前の扉を厳重に閉めるだけで後は1階の迷路の中を
職員がゆっくりしらみつぶしに調べたら発見できる。
迅速に扉が閉められるものかどうかはわからなかったけれど
対策の一環にはなっていただろう。
**A・B病院のつくりの描写は今から25年前の私の視点によるものである。
この記事を下読みした夫は、「当時の感じがそのまま出てるね。現在の視点で見る
と、火災発生時、如何に患者を速やかに安全に逃がすか?キチンと配慮され周知と訓
練も行き届いていたのか気になってしまう」「脱走者防止と防災(万が一のとき死傷者
を出さない)の両立に、現在に至るまで相応の知恵とコストを投じてきてるんじゃない
カナ」とコメントをくれた。
故郷のA病院・B病院がどのように進化したのか想像してみる。
お薬の使い方や患者への(副作用の)説明含め、どんどん人に優しい(言い方を変えると乱
暴でない)ものになっていると信じたい。信じよう。
お世話になったという気持ちで祈りを込めて。