重いドアが開く。
退院が決まると心は静まる。
天候のいい日が増えてくるように感じる。
心が精妙な世界へ移動したんだろう。
入院から退院まで心がゆくトンネル。
入り口では「なぜこんなところに」と内が叫ぶ。。
「なぜこんな人たちの中に」それにしたって自分だって同じ病院に居るのだ。
出口。退院時には医師、看護師、患者たちはさほど意味を持たない。
希望は明日を向く。今までの感謝を述べて重いドアをようやく出て行く。
社会のレンジにおさまるように薬で調整した身体。
私たちの経験はそれぞれの場合がありあまりに多様なので
個人的に参考にならないという意見も聞くが
文章にして声を上げはじめたそのことに意義はあると感じている。
何にせよドアが開くのは大きいことなのだ。