精神的な壁・ひらりと飛んで虹。

やはり心のことを書こうと思い直し。

コーヒーとコーラ。

コーヒーは缶コーヒーですらも制限されていた。

「興奮するのでいけません」というふうに指導されていた。

制限されるからか病棟内でコーヒー好きは多かったように思う。

パン食の朝にコーヒーがつく日があり給食のカレンダーを見ては

楽しみにしている者が多かった。

 

コーラ党も多かった。

おやつ買い物の売店で真っ先にコーラのペットボトルを手にする患者。

購入した飲み物は詰所内の患者用の冷蔵庫に名前を書き保管される。

午前中の決められたおやつ時間にそれぞれ手渡される。またはコップに注いでのむ。

 

あるとき切羽詰った表情でまっすぐ駆け寄ってきて

私ののんでいるコーラにコップを寄せてきたかたがいた。

無言で分けた。その子の緊迫感がじゅうぶん伝わったからだ。

普段は言葉を交わすことのない彼女との一瞬のやりとりだった。