精神的な壁・ひらりと飛んで虹。

やはり心のことを書こうと思い直し。

辛いカレーのかけがえなさ。

A病院のプログラムに「調理実習」があった時期の経験談。

看護師一同が普段の患者の様子を見てその日の参加者を選出する。

選ばれたものの参加はほぼ強制気味ではあった。

断る権利があまりないように思えた。

調理室へ向かう際の病棟内では

「行きたくない」「それでも行きましょう」のやりとりは生じていた。

 

当時「なぜ観音崎さんは入院してるの?」と作業療法の職員さんがそれとなく

聞いていらしたように私は自分から入院を志願した時期で

じっくりと入院生活を咀嚼していたのでもともと苦手だった調理も特に抵抗なく

むしろ「参加させてください」と積極的だった。

 

作業療法の休み時間に開放病棟のかたがたと話す機会があったが、

調理実習はおおむね不評であった。

断然好き!参加したい!という人は能動的でありその場を楽しめる

タイプなのだろう。

 

調理実習はその日の昼食のメニューをつくる。

材料は給食棟から人数分を分けていただいたように思う。

カレー粉からつくるカレーの日があった。

ものすごく辛いだけで旨みのないものが出来上がってしまった。

他の班から味見にきたひとも遠慮がちに

「辛くておいしくないカレーもあるんだね」こちらの班では苦笑いだった。

出来上がりは少々難があっても”みんなでつくると楽しい”という

空間のかけがえのなさを感じた楽しい思い出だ。